アルバイトの全国平均時給から地方・業界別平均時給まで。アルバイト採用の参考になる情報をお届けします。
概況
(前月998円、前年同月958円)
- ■ 全国-5月平均時給~平均時給 990円。北海道を除く全エリアで前年比プラス
- 2010年5月の全国平均時給は、990円(前月998円、前年同月958円)で、前月比で8円の減額、前年同月比では32円の増額となった。エリア別では、関東エリアが1,045円で最も高く、次いで関西エリア(995円)、東海エリア(980円)となった。職種別では、専門職系が1,251円と最も高く、次いで事務系(1,024円)、サービス系(999円)と続いている。
対前年増加率は、エリア別では、東海が2.2%と4カ月連続のプラスとなったほか、関東が4.3%、九州が1.9%など、北海道を除く全エリアでプラスとなり、全体では3.3%となった。職種別では、フード系が0.2%と2008年10月以来の前年比プラスに転じたほか、製造工を含む技能・労務系は6カ月連続、事務系は4カ月のプラスになるなど6職種に改善傾向がみられ、全体では6カ月連続の前年比プラスとなっている。
- ■関東-5月平均時給 ~平均時給1,045円。サービス系を除く全ての職種で前年比プラス
- 関東エリアの平均時給は、1,045円(前月1,048円、前年同月1,002円)で、前月比3円の減額。職種別では、専門職系が1,286円で最も高く、次いで事務系(1,118円)、サービス系(1,051円)となった。対前年同月の増加率は4.3%で、6カ月連続のプラスとなっている。職種別ではサービス系(-1.0%)を除いた全ての職種で前年比プラスとなった。特に専門職系(20.5%)の増加幅が大きく、全体の増加率を押し上げている。
- ■関西-5月平均時給 ~平均時給995円。2か月連続前年比プラスに
- 関西エリアの平均時給は、995円(前月1,007円、前年同月973円)で、前月比12円の減額。職種別では専門職系が1,293円で最も高く、次いでサービス系(1,031円)、事務系(995円)と続いた。対前年同月の増加率は2.3%となり、2カ月連続のプラスとなった。職種別では、事務系(-0.8%)など2職種がマイナスとなる一方、専門職(5.9%)、サービス系(4.2%)の増加がけん引し、全体では前年比プラスとなっている。
- ■東海-5月平均時給 ~平均時給980円。前年比2.2%プラスで改善傾向続く
- 東海エリアの平均時給は、980円(前月1,003円、前年同月959円)で、前月比23円の減額。職種別では、専門職系が1,274円で最も高く、次いで運輸職系(1,046円)、事務系(1,006円)となった。対前年同月の増加率は2.2%で、4カ月連続の前年比プラスとなり、2008年8月以降続いていた時給の停滞傾向に改善が見られる。職種別ではサービス系(-11.3%)、技能・労務系(-2.6%)など3職種が前年を下回ったものの、専門職系(23.9%)の増加幅が大きく、全体をプラスに押し上げた。
- ■九州-5月平均時給 ~平均時給836円。7カ月連続の前年比プラスに
- 九州エリアの平均時給は、836円(前月846円、前年同月821円)で、前月比10円の減額。職種別では、専門職系が1,079円で最も高く、次いで事務系(914円)、運輸職系(847円)となった。対前年同月の増加率は1.9%で、7カ月連続のプラス。職種別では、サービス系(-2.4%)、運輸職系(-1.7%)、フード系(-1.7%)を除いた4職種で前年を上回った。
- ■北海道-5月平均時給 ~平均時給796円。2009年7月以来の700円台に下落
- 北海道エリアの平均時給は、796円(前月804円、前年同月810円)で、前月比8円の減額。2009年7月の797円を最後に800円台で推移していたが、再び700円台への下落となった。職種別では、専門職系が871円で最も高く、事務系(843円)、サービス系(830円)と続いた。対前年同月の増加率は-1.8%で、前月の0.3%から一転し前年比マイナスに。職種別ではフード系(2.1%)がプラスも、運輸職系(-8.8%)、販売系(-4.2%)など6職種が前年を下回った。
- 【 解説:業界担当営業より 】
~ 薬事法改正から1年 登録販売者 求人の動き ~ - 5月時給の全体は、6カ月連続の前年比プラスとなった。
職種別では、専門職系が6カ月連続前年比プラスとなっている。引き続き看護師・薬剤師などの時給が堅調に推移していることが要因だ。また、薬剤師不在でも大衆薬が販売可能となる新資格、登録販売者の求人に動きが見られる。2009年6月の薬事法改正後、一部大手スーパーで直接雇用の求人があったものの、資格開始1年目であることから、まずは外部からの人材確保よりも社内の人材を受験させて有資格者とする動きが主流だ。2010年に入り、大手スーパーやホームセンターなどで医薬品拡充の動きが広がったことで、4月以降は人材派遣会社も登録販売者の確保に動き出している。ただし、直接雇用の時給水準は一般の販売職とあまり変わらないことも多く、資格の市場価値が時給に反映されていない場合も見られる。一方で、派遣の時給は直接雇用より数百円高いことも多く、派遣に登録した動機として給与の高さを挙げる有資格者も少なくない。今後、直接雇用での登録販売者の確保には一般販売職との時給差別化が重要となるのではないか。(SA営業統括部 マネジャー 大村 智一)