「こんな条件なら働きたい!」 職種別: 求職者の注目ポイント

  • 業界別求職者動向

希望職種とは言え、必ずしもその求人先に応募するとは限らない。
いや、希望職種だからこそ、求職者には応募選択の注目ポイントがあるはず。
そこで今回、人気の高い9職種に的を絞り、各職種でどんな条件が最重視されるのか、多角的に調査してみた。

今月のポイント

  • 『王道ポイントに注目せよ!』
    職種を問わず「給与」「仕事内容」「勤務地」の必須ポイント!
  • 『希望雇用形態での特徴を知る!』
    雇用形態にはそれぞれ職種を問わない応募時の共通ポイントがある…!?
  • 『属性別の傾向もクッキリ』
    主婦は「勤務時間の融通」、フリーターは「キャリアアップ」に関心

調査概要

■調査方法:インターネットアンケート
■調査対象:北海道・首都圏・東海・関西・九州在住15~34歳男女
現在、「高校生、短大・専門学校生、大学生、大学院生、アルバイト・パート、派遣社員、契約社員、無職の人」且つ「過去1年以内にアルバイト・パート、派遣社員、契約社員の仕事に就いたことがある人」で、今後も「アルバイト・パート、派遣社員、契約社員」での就労を希望している人
■調査期間:2007年2月
■サンプル数:6,941名
■ウェイトバック:対象者サンプル数が実際の人口の構成比と異なるため、総務省統計局の「平成14年就業構造基本統計調査」による非正規雇用就業人口に基づき、「属性・性別」ごとにウェイトかけた。

1 希望の職種「事務」

選択条件は僅差で「給与」が1位だが…正社員志望は「スキル・キャリアアップ」にも注目

●求職時に最重視する条件
もっとも多かったのは「給与が高いこと」(12.8%の)。僅差で2位となった「仕事の内容が自分に合っていること」は12.6%。次いで「勤務地が自宅から近いこと」の11.5%、「時間の融通が利くこと」の7.9%と続く。

●条件グループでの傾向分布(*)
「最重視する条件」ではトップだった「給与」は15%程度にとどまり、「仕事内容」はその倍近い30%に達した。
また「スキル・キャリアアップ」の割合も、わずかではあるが「給与」よりも多いことがわかる。

(*)条件グループでの傾向分布=求職時に最重視する調査であがった各条件を、大きくその内容ごとにグループとしてまとめその分布傾向をグラフ化したもの。

●グループ分布の希望雇用形態別
もっとも集中している「仕事内容」では、とくに契約社員志望にその意識が高いことがわかる。また、正社員志望は「仕事内容」よりも明らかに「スキル・キャリアアップ」を選択条件のトップとしているようだ。

●グループ分布の属性別
「仕事内容」をもっとも重視する傾向が強いのはフリーター。大学・大学院生は「仕事内容」と「給与」が拮抗する結果となった。

仕事さがしの際に最も重視すること(ひとつだけ選択/単位:%)

2 希望の職種「テレフォンアポインター」

まずは「給与」ありきの職種。とくに大学生の半数は「給与」で決める

●求職時に最重視する条件
圧倒的に「給与が高いこと」に集中し、30.4%を占めた。2位には「時間の融通が利くこと」(12.7%)、以下「仕事の内容が自分に合っていること」(7.9%)、「勤務地が自宅に近いこと」(7.1%)と続く。

●条件グループでの傾向分布
ここでも「給与」への関心が高いことが再確認できる。一方、「スキル・キャリアアップ」は10%を大きく割り込み、「勤務期間・時間が長い」も「勤務期間・時間が短い」も同様に少ない。

●グループ分布の希望雇用形態別
アルバイト・パート、派遣社員とも「給与」が1位に。また、分布傾向も似ている。

●グループ分布の属性別
大学・大学院生の「給与」へのこだわりが目立つ。また、主婦は「環境」を最重視項目とする人が20 %にも達している。

仕事さがしの際に最も重視すること(ひとつだけ選択/単位:%)

3 希望の職種「web関連事務職」

「仕事内容」と「キャリアアップ」に人気集中。「勤務期間・時間が長い」の関心度は0%・・・!?

●求職時に最重視する条件
1位は「仕事内容に興味が持てること」で15.6%。以下、2位「給与が高いこと」(12.0%)、3位「将来、役立つ資格・技術が身につくこと」(11.5%)となっている。

●条件グループでの傾向分布
「仕事内容」と「スキル・キャリアアップ」が30%台と突出して多い。逆に、「勤務地」や「勤務期間・時間が長い」が極端に少なかった。

●グループ分布の希望雇用形態別
「仕事内容」と「スキル・キャリアアップ」が際立って多いことがわかるが、どの雇用形態も似かよった結果に。また、契約社員と正社員を希望する人の場合「勤務期間・時間が長い」が0%に等しい。

●グループ分布の属性別
主婦は「勤務時間の融通が利く」が10%台半ばにまで達している一方、「スキル・キャリアアップ」と回答している割合はフリーターの半分以下に。また、高校生は「スキル・キャリアアップ」で大学・大学院生を上回っている。

仕事さがしの際に最も重視すること(ひとつだけ選択/単位:%)

4 希望の職種「レストラン」

職場の「環境」重視系職種。主婦はイエチカ、フリーターはキャリアアップ

●求職時に最重視する条件
もっとも多かったのは「時間の融通が利くこと」(16.7%)。2位は「給与が高いこと」(14.6%)、3位は「店長や社員の人の雰囲気が良いこと」(11.0%)という結果に。

●条件グループでの傾向分布
「求職時に最重視する条件」では1位だった「時間の融通が利くこと」を、「仕事内容」と「環境」が上回った。また、「勤務時間の融通が利く」も20%弱と、それなりに高い関心を集めた。

●グループ分布の希望雇用形態別
アルバイト・パート以外はサンプル数が少なく除外したため、結果として全体のグラフ形とほぼ同じとなった。

●グループ分布の属性別
高校生は「給与」と「環境」についてともに30%を超える回答だった。主婦は「勤務地」で20%に達している。
また、フリーターはやはり「スキル・キャリアアップ」の多さが目立った。

仕事さがしの際に最も重視すること(ひとつだけ選択/単位:%)

5 希望の職種「スーパー」

ご近所感覚で「イエチカ」がトップ条件。アルバイト志望なら「時間の融通」が優先

●求職時に最重視する条件
1位は「勤務地が自宅が近いこと」(17.5%)。以下、2位は「給与が高いこと」(14.2%)、3位は「時間の融通が利くこと」(11.6%)と続く。

●条件グループでの傾向分布
多かったのは、定番条件とも言える「仕事内容」「勤務地」「給与」といったところ。また、「環境」も10%とそこそこの数値となった。一方、勤務期間や時間の長さにはほとんど関心がなかった。

●グループ分布の希望雇用形態別
アルバイト・パート志望は、「スキル・キャリアアップ」より「勤務時間の融通が利く」が高い。対して、正社員志望は「スキル・キャリアアップ」が30%超と高く、「勤務時間の融通が利く」は0%という結果に。

●グループ分布の属性別
主婦は「勤務地」が30%超と圧倒的に多く、フリーターは「スキル・キャリアアッブ」に突出している。また、「勤務時間の融通が利く」を選択条件の最重視項目としているのは、大学・大学院生がもっとも多かった。

仕事さがしの際に最も重視すること(ひとつだけ選択/単位:%)

6 希望の職種「ホテル」

とにかく「仕事内容」にこだわる。アルバイトも正社員も心はひとつ

●求職時に最重視する条件
1位から3位まではほぼ同ポイントで拮抗している。その中で1位となったのが「やりがいのある仕事であること」、同率で2位となったのが「仕事内容に興味が持てること」と「給与が高いこと」。

●条件グループでの傾向分布
「仕事内容」が断トツの1位で40%近いポイントをあげた。「給与」も「スキル・キャリアアップ」も10%台後半の数値となった。

●グループ分布の希望雇用形態別
アルバイト・パート志望と正社員志望、ともに「仕事内容」が突出して多く、しかもほぼ同ポイントに。また、勤務時間や勤務期間について、正社員の関心はほぼゼロに近かった。

●グループ分布の属性別
大学・大学院生、フリーター、主婦のいずれも「仕事内容」が1位に。また、大学・大学院生は他の属性よりも「給与」に関心が高い数値となっている。

仕事さがしの際に最も重視すること(ひとつだけ選択/単位:%)

7 希望の職種「商品検査仕分け」

派遣社員は「給与」で決める。正社員は「仕事内容」で決める。

●求職時に最重視する条件
第1位となったのは「給与が高いこと」で18.6%。以下、2位に「自分でもできそうな仕事であること」(12.4%)、3位に「勤務地が自宅から近いこと」(12.1%)、そして4位に「時間の融通が利くこと」(9.7%)が入った。

●条件グループでの傾向分布
「仕事内容」に関心が高い割に「スキル・キャリアアップ」が極端に低いという結果に。また「勤務地」や「環境」への関心もそこそこ高かった。

●グループ分布の希望雇用形態別
派遣社員志望の40%超が「給与」にもっとも関心あり。また、アルバイト・パート志望は「給与」も「仕事内容」も関心は高いが、「スキル・キャリアアップ」は0%だった。

●グループ分布の属性別
高校生は「給与」「仕事内容」をもっとも重視。主婦は「給与」「仕事内容」とも数値は低く、一方「勤務時間の融通が利く」に関しては圧倒的に多い。

仕事さがしの際に最も重視すること(ひとつだけ選択/単位:%)

8 希望の職種「美容関連」

「ホテル」と同様のやりがい先行職種。とくに主婦の特化ぶりは大注目!

●求職時に最重視する条件
1位は「やりがいのある仕事であること」(15.8%)、2位が「仕事内容に興味が持てること」(12.3%)だった。
以下、3位「給与が高いこと」(12.2%)、4位「将来、役立つ資格・技術が身につくこと」(10.5%)、と続く。

●条件グループでの傾向分布
「仕事内容」が40%超と、きわめて高い。次いで高かったのが「スキル・キャリアアップ」で20%台半ば。
「給与」と「環境」が10%台だった。

●グループ分布の希望雇用形態別
アルバイト・パート志望と正社員志望は、結果的にかなり似たグラフ形となっている。
違いとしては、「スキル・キャリアアップ」で数値に開きが出たあたり。

●グループ分布の属性別
「仕事内容」に回答が集中。一方、「スキル・キャリアアップ」では大学・大学院生とフリーターがともに多く、主婦はグッと低い。「給与」に関してはフリーターがもっとも多かった。

仕事さがしの際に最も重視すること(ひとつだけ選択/単位:%)

9 希望の職集「医療福祉」

契約社員は強い「スキル・キャリアアップ」志向。派遣社員が望むのは「勤務時間の融通が利く」

●求職時に最重視する条件
1位「やりがいのある仕事であること」(13.7%)、2位「給与が高いこと」(9.3%)。そして3位には「持っている技術や経験が活かせると」(8.8%)が入った。

●条件グループでの傾向分布
「仕事内容」と「スキル・キャリアアップ」の数値が高く、「給与」はさほど高くなかった。また、「勤務地」や勤務期間や勤務時間に関しては、ごくわずかという結果に。

●グループ分布の希望雇用形態別
「仕事内容」と「スキル・キャリアアップ」でより特化しているのが、正社員志望。契約社員は「仕事内容」で、派遣社員は「仕事内容」と「スキル・キャリアアップ」で、それぞれ正社員志望より低い。

●グループ分布の属性別
主婦については「勤務地」と「勤務時間の融通が利く」が他の属性と比較して多かった。
大学・大学院生とフリーターはよく似た結果となっている。

仕事さがしの際に最も重視すること(ひとつだけ選択/単位:%)

 

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