具体的には、勤務地や時間の融通がききやすい「コンビニエンスストア」、繁忙期への対応がポイントとなる「スーパー・デパート・量販店スタッフ」、扱う商品に対する知識や接客スキルが問われる「ファッション・アパレル販売」を取り上げ、求職者の動向を探る。
INDEX
3 スーパー・デパート・量販店スタッフ
分布では、フリーター男女と主婦が目立った「スーパー・デパート・量販店スタッフ」。スーパーでは混雑する時間帯にいかに対応するか、量販店やデパートでは来客の多い土日に勤務できる人材を確保できるかがポイントとなる。では、求職者がこの職種を選ぶ理由や働き方は、そのような課題に応えられるものなのだろうか。
■仕事探しの重視点
「スーパー・デパート・量販店スタッフ」希望者が仕事を選ぶ際に重視する項目は、「勤務地が自宅から近いこと」、「給与が高いこと」、「時間の融通がきくこと」など。「仕事内容に興味がもてること」と「やりがいのある仕事であること」が販売系全体値を大きく下回ることから、仕事内容よりも時間の融通や給与によって仕事を選ぶ傾向があるといえそうだ。
■希望最低時給
「スーパー・デパート・量販店スタッフ」も、先に見た「コンビニスタッフ」と同様に800円台がボリュームゾーン(4割弱)。ただし、「1000円以上」を希望する割合も3割で、一口に「スーパー・デパート・量販店スタッフ」といっても、その希望額にはばらつきがあることが推測される。
■土日勤務(希望)
土日の勤務を希望は、この職種特有の特徴はなく、販売系全体と同じく「土日とも休みたい」が3割程度、「土日とも働きたい」は25%程度という結果だ。
■勤務日数(希望)
勤務日数も、販売系全体値とそれほど変わらない結果となった。最も多いのは「週5日希望」で4割強。ついで「週4日希望」で3割弱。
まとめ
スーパーでは人を確保しておきたい時間帯がある。また、デパート・量販店では、土日勤務できる人員を確保する必要に迫られることが多い。対して、求職者の意識(仕事選び時に重視したポイントや現在の働き方)はというと、週4~5日の勤務を希望し、土日どちらか、もしくは両方働きたい人は7割弱いるなど、常に販売の現場にスタッフがいる状況は作りやすいといえる。
4 ファッション・アパレル販売
圧倒的に女性が多い「ファッション・アパレル販売」。前述のデパートと同じく土日勤務できる人材の確保が必要。また、扱う商品に対する知識や接客スキルが問われるため、職種や業界に興味のある人材がいれば心強い。このような課題に対して、求職者の仕事探し重視点、土日勤務の希望などを調査してみよう。
■仕事探しの重視点
「ファッション・アパレル販売」で働く人たちが、仕事選び時に重視した項目のTOPは19.1%で「仕事内容に興味がもてること」。2位も「やりがいのある仕事であること」(14.6%)と、仕事内容へのこだわりが見える。通いやすさや給与重視の傾向が高かったほか職種との大きな差といえる。特に、販売系総合ではTopの「勤務地が自宅から近いこと」は、4.4%で7位となっている。
■希望最低時給
もっとも多いのは、販売系全体と同じく800円台(28.1%)。しかし他の販売系職種と比べて1000円台以上を希望する割合が大きい。
■土日勤務(希望)
ファッション・アパレル販売で最も多いのは「土曜だけ働きたい」(35.9%)層。また「土日とも働きたい」(29.3%)、「日曜だけ働きたい」(9.9%)は販売系職種のなかで最も多い。逆に「土日とも休みたい」は販売系職種中最も低い24.9%となった。
■勤務日数(希望)
販売系職種全体と同じく、5日希望が多い。ファッション。アパレル販売希望者は特に多く、5割を超えている(51.0%)
■まとめ
「土日とも休みたい」が最も低く、勤務日数も週5日希望が50%を超えている。また、仕事を選ぶ基準も「仕事内容に興味が持てること」がダントツに高く、2位も「やりがいのある仕事であること」を重視。求職者の志向と業界のニーズはあまりブレが無いようだ。
今月のまとめ
「時間の融通がきく」という認知を活かしたい:コンビニスタッフ
24時間営業の店舗が多く、早朝や深夜など人を集めづらい条件もある一方で、「時間の融通が利く」仕事だろうという認知は高い。「週末や深夜しか時間がない人でも働ける」と、誰にとっても働きやすい環境を作ることができるというアピールは可能。
ニーズと求職者の意識は合致:スーパー・デパート・量販店スタッフ
量販店やデパートであれば繁忙期に不足しないように人員を確保したい。対して求職者の意識は、土日勤務の希望も高く、週5日以上勤務が最も多いなど、安定的に人材を確保しやすいといえる。
仕事内容・やりがいを重視:ファッション・アパレル販売
商品・業界への知識が求められるファッション・アパレル業界。多くの店舗で、土日勤務可能であることも重要となる。就業者の意識もほぼ業界のニーズに沿っており、仕事への興味ややりがいで仕事を選ぶ率が高く、土日勤務希望も3割弱にまで上っている。