このリピート意向とその理由を知ることで、採用・募集活動において、業界内・外のどちらに、どのようなポイントをアピールするべきかの指針となるだろう。
INDEX
5 クリエイティブ
では最後に、〔クリエイティブ〕をみてみよう。
右表5-1が、次も〔クリエイティブ〕を希望する理由だ。
リピートして〔クリエイティブ〕に就きたい理由(縦棒グラフ)トップは、「仕事内容に興味がもてそうなので」。以下、「持っている資格や経験を生かせそう」「仕事内容が自分にあってそう」「いろいろな経験ができそう」「将来役立つ資格や技術が身につきそう」と続き、これらはすべて、他職種を希望する層と比べて差が大きい。
一方、「長い期間働けそう」「時間の融通が利きそう」「身体が疲れにくい」は低いことが分かる。
では、実際の仕事選びではどのような条件がポイントになるのだろうか。下表5-2で見てみよう。
次も〔クリエイティブ〕を希望する層が重視するのは、ずばり「興味のある仕事内容であること」。4割弱で突出して高い。また、2位の「やりがいのある仕事であること」も、他職種を希望する層と10ポイントくらいの差がある。
一方で、「給与」や「勤務地」といった点は重視度が低く、〔クリエイティブ〕リピート層が、いかに、その仕事内容にこだわりを持っているかが読み取れる結果となった。
そして彼らがもっとも譲りたくない条件、それはもう「仕事内容」にほかならない。実に7割がこの「仕事内容」と回答している(左表5-3)。
自分がいかのその仕事に興味を持てて、やりがいを感じられるか。自分のスキルを生かしつつ、それをさらに伸ばしていけるのかということが、この〔クリエイティブ〕をいう仕事を続けていく理由・動機となっている。勤務時間や雇用形態・給与は二の次なのだ。
そこで募集する側としては、給与や細かい条件を前面に打ち出すよりも、いかにその仕事(職場)が、働く者にとって経験・成長できる場なのかを明確にアピールするほうが効果的と思われる。
今月のまとめ
「次も同じ職種で働きたいか?」という傾向は職種ごとに異なる
次も同じ職種で働きたいと考える率は、最も高いクリエイティブ職種では75%。低い職種では25%未満と職種によって大きく異なる。
“次も同じ職種を希望する人が多い”職種は、待遇面の打ち出しに注目
次も同じ職種を希望する人が多い=業界経験者の転職が多いといえるかもしれない。採用活動においては、待遇など同じ職種の中でいかに差別化するかが重要といえる。
“次は違う職種に就きたい人が多い”職種は、仕事内容や魅力を紹介
次は違う職種に就きたい人が多い=他業界からの新規流入が多いといえそうだ。採用活動においては、まずは仕事内容や職種の魅力についてアピールが必要だろう。