このリピート意向とその理由を知ることで、採用・募集活動において、業界内・外のどちらに、どのようなポイントをアピールするべきかの指針となるだろう。
INDEX
5 配送・物流
最後に配送・物流をみてみよう。
下表5-1の縦棒グラフ(青色)は、現在は配送・物流以外の仕事に従事しているが、次の就業では配送・物流を希望している層の、その希望理由である。
これを見ると、他業種から配送・物流を希望する層にとって、「仕事内容に興味がもてそう」「仕事内容が自分にあっていそう」「収入が多そう」「いろいろな経験ができそう」といった点に惹かれていることが分かる。すでに配送・物流に従事している層に比べて、「仕事内容に興味が持てそう」「いろいろな経験ができそう」が特に高い。
では、実際の仕事選びではどのような条件がポイントになるのだろうか。下表5-2をみてみよう。
現在配送・物流以外に従事し次は配送・物流を希望する層では、「給与が高い」「勤務地が自宅から近い」「興味のある仕事内容である」がトップ3。現在すでに配送・物流に従事している層と比べると、「給与」や「時間の融通」のウエイトが低く、「興味のある仕事内容であること」や「自分にもできそうな仕事であること」が高い。
他業種から配送・物流を希望してくる層は、給与やイエチカというよりは、自分が興味を持てる仕事内容であるか、それが自分にもできそうであるか、いろいろな経験に結びつくかということも視野にいれているようだ。
最後に、現在すでに配送・物流に従事している層が抱く、仕事への不満点をみておこう。次は他業種に就きたいと希望している層では、「給与が低い」「楽でない・疲れる仕事」「能力にあわせて昇給や昇格ができない」が不満の上位項目。こうした点の解消が、離職を防ぐことにつながるだろう。
以上、配送・物流業界において、他業種から積極的に採用していくためには、その仕事自体の魅力、そこから広がる経験などを具体的に伝えていくことが有効と思われる。
今月のまとめ
「次も同じ職種で働きたいか?」という傾向は職種ごとに異なる
次も同じ職種で働きたいと考える率は、最も高いクリエイティブ職種では75%。低い職種では25%未満と職種によって大きく異なる。
“次は違う職種に就きたい人が多い”職種は、仕事内容や魅力を紹介
次は違う職種に就きたい人が多い=他業界からの新規流入が多いといえそうだ。採用活動においては、まずは仕事内容や職種の魅力についてアピールが必要だろう。
経験者、未経験者で職種のイメージにギャップが
軽作業・ラインスタッフを例にあげると、「すぐに収入を得られそう」という理由で働く人は、経験者の方が多い。つまり、未経験者にはそのイメージ、情報、メリットを伝え切れていない可能性がある。このように、経験者と未経験者のもつ職種イメージのギャップを理解することが、効果的な打ち出しの検討につながるだろう。