応募動向は絶えず動いている。求人者の動きが活発な時期もあれば、落ち着いている時期もある。
ならば、それをいち早く読んで、採用計画に反映できれば、より効率的かつ効果的な募集が、しかも年間サイクルで可能となるはず。
そこで今回のトレンドデータは、まさに年間の応募トレンドを大公開。
主要10職種について、4~9月までの各月ごとに、属性、勤務日数、そして給与区分で毎月の応募動向を調査した。
職種ごとに、どんな応募者がどの月にどんな動きを見せるのか。
微に入り細に入りの調査結果をお届けする。
※弊社の2008年4月~2008年9月の応募データより
今月のポイント
- 応募がもっとも活発な大学・大学院生は総じて5月にピークを迎え、8月に下降する。また、アルバイターは 春先活発で夏以降に下降しやすい。
- 週1~2日が勤務日数ではもっとも応募が多い。割合の数値も比較的安定しているが、職種によっては夏場に落ち込むことも。
- 給与区分では、時給への応募が圧倒的に多い。しかも安定的で、時期を選ばず、採用計画をより効果的にさせるはずだ。
INDEX
- 01.事務・アシスタント
- 02.電話受付・入力業務
- 03.軽作業
- 04.キャンペーン・PR
- 05.居酒屋店員・バーテンダー
- 06.フードのホールスタッフ
- 07.ファーストフード
- 08.コンビニスタッフ
- 09.販売
- 10.アパレル販売
調査概要
■調査方法:インターネットアンケート
■調査対象:北海道、関東、東海、関西、九州在住 15~34歳男女現在、「高校生、短大・専門学校生、大学生、大学院生、アルバイト・パート、派遣社員、契約社員、無職の人」且つ「過去1年以内にアルバイト・パート、派遣社員、契約社員の仕事に就いたことがある人」
■調査期間:2008年3月
■サンプル数: 北海道938名・首都圏2888名・東海1879名・関西1904名・九州925名 合 計8534名
1 事務・アシスタント ~属性による応募動向の推移~
データ早わかり
「週5日以上、月給」に一定の人気
属性による応募動向の推移(図1-1)は、無職が30%前後と安定して多かった。アルバイターは4月をピークに明確な右肩下がりに。契約・派遣・正社員は、6月で少し落ち込むが、そこから徐々に増加した。勤務日数では(図1-2)、4~9月を通して週5日以上の割合がもっとも多い。週1~2日は4月は12%と低いが、5~6月に増加し、週3~4日よりも割合で多くなる。給与区分では(図1-3)、時給が全期間で70~80%を保っている。月給は4月に26%と全体の4分の1を占めるが、5月にやや落ち込む。日給は総じて割合は低いが8月にわずかながら伸びを見せる。
■属性/6月のわずかな動きに注目
月別では、6月に動きが見られる。無職と契約・派遣・正社員が割合を下げ、主婦・パートも減少傾向に入っている。逆に大学・大学院生は前月より4ポイント近く上げている。応募の増減でもっとも変化があり、また各属性のポイントの開きが縮まる月でもある。
■勤務日数/やっぱり週5日以上が安定的に人気
事務・アシスタントの希望者は、傾向としてより「週5日以上」を希望する傾向が強いが、それをそのまま反映した結果となった。とくに4月と8月が割合が高くなっている。週1~2日勤務の人材募集であれば、5月以降が効率はいいだろう。
■給与区分/月給の割合の高さが特徴
時期を問わず時給の割合の高さが目立つが、今回調査した職種の中では、逆に低いと言える。その背景として、月給による求人の多さが関係していると考えるのが、妥当だろう。
2 電話受付・入力業務
データ早わかり
契約・派遣・正社員はピークが9月
属性での推移(図2-1)は、アルバイターと無職がともに4~9月を通して20%前後を保った。大学・大学院生は5月と7月にとくに多い。契約・派遣・正社員はピークが9月。主婦・パートは5月をピークに減少傾向だが、9月で若干持ち直している。勤務日数(図2-2)では、週3~4日が4~9月を通してもっとも多かった。とくに5月は突出して多い。週1~2日は4月のみ週5日以上を上回り、5~8月は逆に大きく下回る。給与区分(図2-3)になると、全期間で時給が占める割合が圧倒的に高い。月給は4月に若干アップするが、それでも4%程度。日給は時期を問わず割合は低い。
■属性/月により割合が激しく変動
大学・大学院生の人材が欲しい場合、やはり5月と7月がポイントと考えたい。また、アルバイターの応募は4月、6月が多く、5月と7月は逆に減る傾向が見て取れる。決して大きな動きではないが、募集が1ヵ月ズレるだけで、属性の応募動向が異なるひとつの好例だろう。
■勤務日数/週3~4日なら5月は割合が60%に増加
各勤務日数での開きは他職種と比較すると少なく、つまりは、どの勤務日数の募集もしやすいとも考えられる。とくに、4月、9月は勤務日数を広く採用しやすい時期だろう。週3~4日に限定するなら、一気に60%まで割合を高めた5月、またはそれ以降がより効果的だ。
■給与区分/メインは時給で決まり
ごくわずかな動きではあるが、月給は4~6月、日給は8月に伸びを見せる。両者の採用に関する時期的チャンスと言えば、この程度しかないのが現状。募集の給与区分は時給をメインに考えていくことが、結果的には効率的だろう。
3 軽作業
データ早わかり
日給で週1~2日勤務が定番
属性による応募動向の推移(図3-1)を見ると、大学・大学院生は4月から割合を高め、8月にピークに。高校生は7月に割合が高まるが、それ以外の月は総じて低ポイント。勤務日数(図3-2)では、週1~2日の割合が圧倒的に高い。ただ、週3~4日と週5日以上も秋に向け少しずつ割合が増加し、4月には週1~2日と80%以上あったポイントの開きも、9月には60%台までに縮まってる。給与区分(図3-3)では、日給の割合がもっとも高かった。とくに4月、6月、7月が高い。時給も40%前後で推移するが、日給を超える月はなかった。
■属性/突出せず、変動もせず
突出して応募の割合が高い属性がないのが、この職種の特徴だろう。採用プランのポイントとしては、大学・大学院生がピークとなる8月に注目すべき。また、夏休みを利用しての応募と考えられるが、高校生のピークは7月と1ヵ月前倒しになる点も押さえておきたい。
■勤務日数/週3日以上の募集は9月がチャンス
4月の89%をピークに徐々にではあるが下降傾向は見て取れるが、全体的に週1~2日勤務への応募が集中した形となった。となると、週3~4日と週5日以上勤務できる割合は9月に向け上昇傾向だ。
■給与区分/日給主導も5月には接近
今回取り上げている職種の中で唯一、日給がもっとも多い割合を示した。その理由はともあれ、日給での募集がもっとも効果的ということになる。時給の割合が5月にもっとも高く、また8月も高い。タイミングとしてはこの時期がひとつのポイントとなる。