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早まらないで!“人を採用しなきゃ”と感じた時に確認してほしいたった「 1 つ 」のこと

本記事は店長Labの転載記事です。元記事早まらないで!“人を採用しなきゃ”と感じた時に確認してほしいたった「 1 つ 」のこと

かねてより叫ばれている人材不足。飲食・小売などのサービス業が一番深刻でこのままでは2030年には644万人の不足(*1)が発生すると言われています。

*1)出展元:パーソル総合研究所「労働市場の未来推計 2030」

多くの店長の皆様も、「うちには人が足りないな」と思うことがあるのではないでしょうか。
しかし「『人が足りない』というだけではお店にどのような課題があり、本当に新規採用をしなければいけないのか判断できません。必要のないコストを抑えるためにも、実態をしっかり見る必要がある」と日比谷 勉さんは警鐘を鳴らします。


なぜいま “人” が再注目されるのか

創業時から、マクドナルドはピープルビジネス

— マクドナルドはハンバーガー屋だと思っていたのですが、ピープルビジネスとはどのような繋がりでしょうか。

マクドナルドの創業者であるレイ・クロックは「私たちはハンバーガーを提供するビジネスだけでなく、ピープルビジネスである」と言っています。言い換えれば、マクドナルドは「ピープル」が最大の強みであるということです。

ドライブインスタイル(車で来て、車から降りて、並んで購入してまた車で帰っていく形式)から始まった同社だからこそ、速さが求められます。

 しかしながら、当時、他店は「速い、けど味もまあまあだし、サービスも悪い」という状況。「だったら我々は 『速い・けど美味いし、サービスも良い』状態を作り、差別化をしようではないか。」「その実現のためには、従業員がイキイキ働けるようにする必要がある。 投資をしよう」となり、その思想が脈々と現在まで続いています。

— なるほど。今から25年も前に従業員満足度の発想があり、それが顧客満足度の根源であると考えたのは、先進的ですね。

そうですね。日本の第一号店(銀座三越1階)のは1971年7月に開業したのですが、実は企業内大学であるハンバーガー大学は、お店がオープンする1ヶ月前の6月に開校しているんです。売上が立っていないタイミングにもかかわらず、教育機関を先にオープンしたんです。マクドナルドがいかに人への投資を優先しているかがわかる事例ですよね。

“モノ消費からコト消費へ“という言葉は聞いたことありますか?暮らしが豊かになると、人は機能的な価値ではなく、魅力的なサービスから得られる体験や時間を求めて消費するようになることです。

ハンバーガー1つとっても、人それぞれ好みはあれど、マクドナルドでもそれ以外でも、皆美味しい。じゃあどこで買おうか、となったらサービスの良い方が選ばれるんですね。商品での差別化ももちろん大事ですが、サービスの差別化はもっと必要になってくるんです。

「人が足りない!」と思った時に確認してほしいたった1つのこと

現状を数字で正しく把握する

— “人を通じて届けるサービス“への価値が今後高まっていることが理解できました。しかしながら、「そもそも人が足りないのに、サービス品質まで考えられない」という声も多いのではないでしょうか。

非常に多いです。フィールドHRラボを立ち上げてから、様々なサービスの現場へ伺い、視察・インタビューをさせて頂いてきましたが、どの店長も口をそろえて「人が足りない」と仰っています。そのため、本社・本部は「採用活動を強化せねば」と動かれるのですが、実は、「人が足りない」ということの定義は、人によって異なっているのです。

一般的に、「シフトが埋まらない=人が足りない=スタッフの頭数を増やす必要がある」と考えがちですが、これらはイコールではありません。

—「人が足りない=新規採用が必要」と考えてしまっていましたが、他に方法があるのでしょうか。

あります。それが何かを探るには、まず、店長の皆様にお店の状態を正しく把握していただく必要があります。今回は分かりやすく、飲食店を事例にしてみます。

課題解決とは、目標と現状のGAPを埋めることですので、ここは目標の設定とも言えます。
まず、以下2点を確認し、1日通しての必要最低人数を整理します。

step1 – 1日の勤務時間帯を明確にする

7:00~10:00(開店作業~営業開始)/10:00~11:00(ランチ仕込み)/11:00~14:00(ランチ)/14:00~16:00(お休み)/16:00~17:00(ディナー仕込み)/17:00~23:00(ディナー)/22:00~00:00(閉店作業~翌日準備)

step2 – 時間帯ごとの、適正な人員配置を明確にする

ランチ帯:ホール2名、キッチン3名が必要 / ディナー帯:ホール3名、キッチン3名が必要

— “なんとなく足りない感”を数字にするのですね。これで導き出された最低必要人数と現在の在籍人数を引き算すれば、新規採用が必要な人数となり、一件落着ではないのですか?

いやいや、その引き算だけで必要採用人数とは言えないのですよ、実は。

ここで確認してほしいことが、1つだけあります。

それはスタッフ全員が、 「提出可能時間数を網羅的に提出しているか」 です。

要チェック!既存スタッフを最大限活躍させてあげられているか

実質提出時間数の最大化が、シフト充足の鍵

— 「提出可能時間数」という言葉を初めて聞きましたが、どのような意味でしょうか。

提出可能時間数は、誤解を恐れずに言えば、可処分時間のすべてです。可処分時間とは、1日24時間のうち、睡眠や食事、家事といった生活を維持するのに必要な時間を除いた残りで、自分の判断で自由に使うことのできる時間のことを指します。“シフトに入れる時間数”と読み替えていただいても差し支えありません。

スタッフはこの申請可能時間数から、「シフトに入りたい」と思った分だけ、提出をします。
これを実質提出時間数と呼んでいます。

シフト提出には3つのパターンが存在するのですが、「提出可能時間数を網羅的に提出しているか」というのは、パターン3で提出するスタッフに対しての確認になります。

シフト提出のパターンと、その傾向があるスタッフ属性まとめ

提出する時間数の傾向

この傾向があるスタッフ属性

 パターン1 

 提出する時間数の傾向:提出可能 < 実質提出
 この傾向があるスタッフ属性:扶養範囲内でしか働けない主婦・主夫/授業の多い大学1・2年生 等

 時間数を制限内に抑えることを前提に、いつどの時間帯で働くかはシフト作成者に委ねる傾向にある。

 パターン2

 提出する時間数の傾向:提出可能 = 実質提出
 この傾向があるスタッフ属性:扶養範囲内でしか働けない主婦・主夫/授業の多い大学1・2年生 等

 勤務可能な時間数や曜日を、予め制限内に収めて提出する傾向にある。

 パターン3 

 提出する時間数の傾向:提出可能 > 実質提出
 この傾向があるスタッフ属性:アルバイト・パートで生計を立てているフリーター/授業の少なくなってきた大学3・4年生 等

 1か月に1回等、提出頻度が少ない仕組みの中で起こりやすい。先過ぎて予定がわからない日にちを、プライベートの予定や突発的な用事を果たすために“守る”べく、実際に提出可能な時間数よりも少なめに提出する傾向にある。

— いくら頭数を揃えても、スタッフそれぞれの実質提出時間数が少なければ、シフトは埋まらないのですね。

その通り。
パターン1や2のように物理的に制限のあるスタッフの方に、無理を強いることはするべきではないので、パターン3のように提出してしまっているスタッフに対し、

・1回あたりの勤務時間を伸ばしてもらえないか
・いつもより頻度高くシフトに入ってくれないか

の2点を確認・お願いしていきます。

当たり前ですが、この時ももちろん、絶対に無理強いしてはいけません。提出可能時間数は、可処分時間のすべてとお伝えしましたが、それをすべて仕事につぎ込みたいかどうかは、人それぞれですので、その方の価値観や求めるワークライフバランスを尊重してください。

そしてスタッフの実質提出時間数が最大化されてもなお、シフト充足できない時、ようやく新しく人を雇うことが必要だ、と判断できます。

このように丁寧に事実を紐解いていくと、採用すべき時間帯/職種/人数が明確になるのと同時に、採用コストが最小限に抑えられるというメリットがあります。

— 確かに、おっしゃる通りですね。人手不足を感じた際はまず、在籍スタッフの活躍を再確認すべきなんのですね。有効求人倍率も非常に高い時期ですし、採用コストが抑えられるのはどの店長としても非常にありがたいのではないでしょうか。

— 一方で、そもそも、なぜ①のような提出パターンが発生してしまうのでしょうか?そのような方に対して、どのように相談・お願いをしたら実質提出時間数を増やしてもらえるのか、まだイメージできません。

わかりました。そこはシフト提出の頻度、仕組みづくりや、スタッフとのコミュニケーションの取り方に至るまで、幅広く関わってくるので、また次回お話しましょう。

まとめ:“人を採用しなきゃ”と感じた時に確認してほしいたった1つのこと

 毎日忙しい日々を過ごしていると、ゆっくり机に向かって考える時間もなかなか取れず、「あと1人でも入ってくれれば、マシになるのに・・・」と悩んでしまうことがありますよね。しかし、そんな時だからこそ、一度立ち止まり、状況を整理していく必要がありそうです。

この記事では、新規採用に踏み切る前に、確認してほしいたったポイントをご紹介しました。

<事前準備>

必要最低人数を、1日の勤務時間帯+時間帯ごとの最適人員数から算出

<ポイント>

在籍スタッフ全員が「網羅的に提出可能時間数を提出」しているか

水準を引き上げることで、埋められる空シフトは必ずあります。

「本当にそんなことできるの?」「簡単にそんなことができたら苦労しないんだけどな・・・」

という声もあると思いますので、次回は「実質提出時間の最大化」の方法について、お届けします!

 

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