一度は選んだ仕事を辞める時、そこにはどのような思いがあるのだろうか。
理想と現実のギャップを感じたか、生活環境の変化があったのか、今回はそのような離職理由を職種ごとに紹介する。また継続の理由もあわせて掲載し、安定した労働力確保のヒントとしたい。
INDEX
- 1.職種別 継続して働く理由と辞めた理由 TOP5
- 2.〔オフィスワーク〕 継続して働く理由と辞めた理由
- 3.〔クリエイティブ〕 継続して働く理由と辞めた理由
- 4.〔フード〕 継続して働く理由と辞めた理由
- 5.〔販売〕 継続して働く理由と辞めた理由
- 6.〔講師・インストラクター〕 継続して働く理由と辞めた理由
- 7.〔営業〕 継続して働く理由と辞めた理由
- 8.〔軽作業・ラインスタッフ〕 継続して働く理由と辞めた理由
- 9.〔配送・物流〕 継続して働く理由と辞めた理由
- 10. 〔医療・福祉〕 継続して働く理由と辞めた理由
8.〔軽作業・ラインスタッフ〕 継続して働く理由と辞めた理由
次は〔軽作業・ラインスタッフ〕。継続層は「フリーター男性」が目立つ。継続理由のトップはやはり「イエチカ」、そして「自分でもできる仕事だから」と続く。また5位には「ほかにもっとよい条件の仕事がないから」が入っている点も、この〔軽作業・ラインスタッフ〕の特徴。 一方、辞めた理由のトップは、これまた納得のいく「楽でない・疲れる仕事だから」。思った以上に重労働だった・・ということなのだろうか。2位以降は「給与が低い」「長い期間働ける仕事でない」「仕事内容に興味が持てない・失った」と続く。
9.〔配送・物流〕 継続して働く理由と辞めた理由
次に〔配送・物流〕を見てみよう。こちらも、先に見た〔軽作業・ラインスタッフ〕同様に「フリーター男性」が多く4割以上にのぼっている。そんな〔配送・物流〕従事者が、いまも継続して働いている理由は、これまたやはり〔軽作業・ラインスタッフ〕とよく似ているのだが、トップが「イエチカ」、ついで「自分でもできる仕事だから」「時間の融通がきくから」。 一方で辞めた理由トップは「長い期間働ける仕事でないから」。続いて、「給与が低いから」「楽でない・疲れる仕事だから」。 イエチカは、その仕事を続けていくうえで非常に重要な要素であり、おそらく、多少いやなこと・不満な点があっても、自宅から近ければ我慢して続けられるということもあるのだろう。だが、長い期間働けなかったり給与が低かったり、肉体的にきつすぎる仕事内容だと、辞めてしまう可能性が高くなってしまう。
10 〔医療・福祉〕 継続して働く理由と辞めた理由
最後に、〔医療・福祉〕も見てみよう。 現在も続けている理由のトップは、「やりがいのある仕事だから」「勤務地が自宅から近いから」。この2項目が、ほかの項目に大きく差をつけている。主婦が多いこともあって「イエチカ」は大事なポイントなのだろうが、同時に「やりがい」や、3位の「興味が持てる」も重要な要素のようだ。 一方、この仕事を辞めた理由は、トップが「店長や社員の人の雰囲気が悪いから」で、突出している。 勤務地が自宅から近く、また仕事にやりがいや興味が持てるのであれば続けていくが、職場の雰囲気が悪いと辞めてしまうケースが多いのであろう。
今月のまとめ
仕事を続けている理由の上位は「家から近い」か、「やりがいを感じる」か。
ほとんどの職種で、通いやすさや仕事のやりがいが上位に。しかし、継続の理由第1位が同じ職種でも、2位以降の項目にはバラつきが見られる。医療・福祉の仕事を継続している理由の第1位は「やりがいのある仕事だから」で2位は「勤務地が自宅に近いから」。一方で営業は、第1位の理由こそ「やりがいのある仕事だから」で医療・福祉と同じだが、第2位は「仕事内容に興味がもてるから」となっている。離職防止を考える際は1位の項目だけではなく、1から5位の項目を広く押さえることが必要となるかもしれない。
仕事を辞める理由は続けている理由と連動しているとは限らない。
辞める理由では、多くの職種で人間関係の問題や、仕事が楽ではないから、そして給与が低いからなどがランクインしてくる。これらは必ずしも続ける理由とは連動してはいない。”給与が低かったから辞める”という回答が多い職種であっても、”給与が高いから続けている”という回答が多いわけではない。不満を感じるポイントと、継続の意思を固めさせるポイントは表裏一体ではないようだ。