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2012年の採用を読む – パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 横道浩一

2011年は、東日本大震災という大きな災害に見舞われました。国内企業も製造業、飲食、サービス業を中心に大きな被害を受け、人材採用においても多大な影響がありました。ここでは2011年の採用動向を今一度振り返り、それを踏まえて2012年の採用動向を予測するとともに、採用担当者が留意すべきことについて、弊社メディアディビジョン ディビジョン長・横道とともに考えたいと思います。

2011年の採用市場、震災で一度は途切れたものの再び回復基調に

「震災後、人材ニーズは再び回復基調にあり、人材は採用しづらい局面に入っています」

震災後、人材ニーズは再び回復基調にあり、人材は採用しづらい局面に入っています。

リーマンショック以降、落ち込んでいた日本の経済も復調し、3.11までは有効求人倍率も回復しつつありました。

ところが、震災で状況は一変。なかでも多大な影響を受けたのは、東海より以東の地域でした。製造業は工場の被災に加え、電力問題もあって工場稼働時間の調整などを迫られる企業が相次ぎました。同様にサービス業も節電によって、営業時間変更に代表されるような直接的な対応に追われたほか、出店見直しなど事業計画にも変更が生じるなど、大きな影響を受けました。

関西以西については、震災影響は少なく、大阪の相次ぐ大型商業施設のオープンや九州新幹線開通に伴う周辺商業施設の開業など、当初の計画通り出店が進みました。関西では、こうしたそもそもの事業計画実行に加え、震災により東日本で滞っていた生産分を西日本で補完する動きや、BCP(事業継続計画)の観点から本社機能やコールセンターなどを関西以西に移転する動きが盛んになったため、集中的に求人が増える現象も見られました。

そんな中、夏以降、被災地の復興が進み、首都圏の電力問題も解消されてきたことを受け、東日本での採用活動が急速に回復してきました。復興需要に加えて、外食や流通業界が震災のためストップさせていた当初の出店計画を一気に再開し始めたことが大きく影響したようです。

このように、震災で一度は落ち込んだ人材ニーズも今は回復基調にあり、2011年10月時点で有効求人倍率は0.67まで上昇(※1)。人材は採用しづらい局面に入っています。この流れは、このままいけば2012年5~6月頃まで続くと予想されます。

有効求人倍率は0.67まで上昇、採用しづらい状況に

一方、より大きな時間軸の中で有効求人倍率上昇の背景を考えると、「労働市場の二極化」というキーワードが浮かび上がってきます。多くの企業が、専門性が高く、企業のコア業務を担うハイクラスな人材を正社員として手堅く採用する一方で、一般事務や現業職については、非正規雇用やアウトソーシング化を推進しているのです。景気の変動が激しい中、先行きが見えない不安を企業は常に抱えています。それに伴って、人件費もできるだけ変動費化し、最適化しようとする傾向が強いことから、非正規雇用はさらに加速していくだろうと考えられます。

実際、この流れを象徴するように、アルバイト・パート領域の有効求人倍率は0.92に達しています(2011年10月分 ※2)。これは、応募してきた人を選考せず、ほぼ全員採用しなければならない状況を示しています。採用する側にとって、良い人材が非常に採りづらくなっているのです。

2012年、良い人材を採用する2つのポイント

2012年、良い人材を採用するには、『制度整備』と『外部環境への対応力強化』の2点がポイントになります。

では、こうした状況のなか、良い人材を確保するためにはどうすればいいのか。大きく2つのポイントが考えられます。

~雇用に関する制度を整えて企業の魅力を高めておく~

まずは、どういう人を必要としているのか、求める人材像を求人原稿で明確にする。そのうえで、アルバイト・パートに対する評価制度や社員登用制度など、応募する側にとってメリットに感じられる制度を整えておく。それが優秀な人材を集めるうえで重要になってきます。

例えば、ある企業では、アルバイト・パートの職務範囲が提示され、スキル定義も明確で、担当する業務レベルが上がるごとに時給もアップする仕組みをすでに導入しています。このように優秀な人材のモチベーションを維持できる体制を整備していることで、向上心と意識の高いアルバイト・パートをコンスタントに採用できているといいます。ただ制度は作ろうと思い立っても、短期間で作れるものではありません。中長期的な施策にはなりますが、良い人材を確保していくためにも、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。

~年度計画を立てたうえで、情報感度を上げる~

2点目は、変化の激しい外部環境に対して、対応力を強化することです。

企業の雇用に影響を及ぼす外部要因は、日々増大しています。2011年も震災だけでなく、タイ洪水、欧州危機や円高進行などで、景気も大きく変動しました。また昨今は、2010年4月に改正された雇用保険制度(※3)や、製造業・登録型派遣の「原則禁止」が議論の焦点となっていた労働者派遣法など、アルバイト・パート雇用に関わる法改正とその検討も盛んに行われています。こうした自分たちではどうにもならない外部環境の変化に対して、振り回されることなく柔軟に対応するには、まず年度計画を用意することが重要です。あらゆる情報を元に、一年先までの状況を想定した上で計画を立てる。その後、周囲の状況に合わせて随時修正を加えていくのです。

アルバイト・パート雇用では、正社員雇用のように年間の採用計画を立てているケースはまだまだ少ない状況です。年度ごとに採用計画を立てることで、外部環境に急な変化があっても、当初の計画を指標として対応策を考えることができます。この指標を持っておくことが、いざという時の迅速な対応力につながっていくと思います。

また先述した通り、計画当初に想定した外部環境は、刻々と変化します。そのため、常にアンテナを張り巡らせて世の中の旬な情報をキャッチし、計画が実情に合っているかを確認しながら修正することが大切になるのです。同業者間での情報交換や求人媒体営業からの情報などを、ぜひ有効に活用していただきたいと思います。

さらに、変化の多い環境下では、スピーディな掲載や修正が可能であるWebをうまく活用することをお勧めします。最近では、データベース化によって応募者の情報をプールし、過去の応募者や従業員の中から、評価の高かった人をピックアップして声をかけるという手法をとっている企業もあります。新たな一手法として、参考にしていただければと思います。

昨今の雇用全体の状況からも、2012年以降、非正規雇用が主労働力に占める割合は、さらに加速度を増して高まっていくと言えるでしょう。上記のポイントをヒントに、今からアルバイト・パート雇用対策の準備を進めることをお勧めします。

※1: 有効求人倍率(全体): 0.67
厚生労働省 2011年11月公表 一般職業紹介状況「第13表 雇用形態別労働市場関係指標(実数)」
※2: 有効求人倍率(パート): 0.92
厚生労働省 2011年11月公表 一般職業紹介状況「第13表 雇用形態別労働市場関係指標(実数)」
※3: 雇用保険制度改正
厚生労働省 「平成21年雇用保険制度改正関連資料」

横道 浩一 / Koichi Yokomichi

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 メディアディビジョン ディビジョン長 横道 浩一

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 メディアディビジョン ディビジョン長
1995年パーソルプロセス&テクノロジー株式会社入社。広告営業を経て、2000年にアルバイト求人広告事業の営業責任者に。その後、人材紹介事業、採用支援事業の統括部長を経験後、メディアディビジョン首都圏事業部SA統括部長となり、2011年メディアディビジョン ディビジョン長に就任。
※文中の内容・肩書等はすべて掲載当時のもの。

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